東芝、ウェスティングハウスの行方は?その一因となったものとは

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大所高所から俯瞰する姿勢を目指している身としては、一企業がどうこうという問題に興味を惹かれることは少ないのだが、
東芝・ウエスティングハウス(東芝社内での呼称、ウエスチングハウスは私は用いない)問題には若干の関心を抱いた。

東芝が買収する経緯などは諸氏に調べていただくとして、あまり話に出てこないNRC周辺の動きについて調べてみたい。
そもそも東芝は「金は出すけど口は出さない」とわかりやすく表現してしまいますが、この状況での一方的な叩き方に違和感を持ったのだ。
もちろんそれ以前にも行われていた粉飾まがいの決算など、東芝自体に問題があったことは明白である。

世界中においてはもちろんのこと、特に米国において、核戦略は軍事戦略や産業界においても最も重要な事項であることは明白である。
安全性で一般的に優位とされるPWRを製造するウエスティングハウスを日本企業が買収するということはロックフェラーセンターを三菱が買収するのとは感情的な対立以上に実務的問題が発生するのである。
そこで、先に記したように技術流出防止(買収先の東芝に対しても)をさせ、企業の保有のみをさせる方針をNRCを中心に指示されてきたのである。
爆縮レンズなどの工程を挟まないので兵器とは言えないものの、私にはF22を日本に輸出させなかった米国議会の決定にも相似させる。

また、自前資源を持たない(と言われている)日本において、原子力発電用のウラン・プルトニウムは輸入こそすれそれは非常に長期間利用できるため「準国産」エネルギーと言われる。
また、輸入に当たってもウラン鉱も世界に分布しており、輸入先も多角化できるため経済(エネルギー)安全保障としても優位度が高い。
福島の事故に関する感情的な部分をあえて横に置いておくとして、日本国においては自立のための重要なエネルギー源であることは明白。
翻って米国では、世界中の資源国を「支配」し、さらに自国においても新型の石油産出を始め、もちろん旧来の油田も保有する。つまりは原子力のエネルギーとしてのプライオリティは相対的に低いのである。

現在建設中の米国内原子力発電所に係る遅滞を端としウェスティングハウスが買収した建設会社による大規模な損害が親会社のWH、その親会社の東芝にまでも及ぶようになってしまった。

話をいったん外すと、現在西側諸国で原子力事業会社で一貫して製造できる(マニュファクチュール)はGE、ウェスティングハウス、アレバがある。ロシアは不明だが世界中の原発はこれらと関わらずに建造することは叶わぬ。
そしてこれら3社はそれぞれ日立、東芝、三菱が資本に食い込んでいる。
(これはコアな部分だが容器に関しては日本製鋼所が世界で圧倒的なシェアを持っている。)

 

〜〜〜深読み?陰謀論?真面目に不真面目未来予測〜〜〜

ここからは質の低い陰謀論まがいであるが、

アメリカの原子力政策に変更があり、自国企業の動きをより直接的に把握、指導をしたかった理由が生まれた。
または、1国に自国の2社を保有させるより他国の方が良いのではないかとの意思が働いたのか。

さて、さらに突拍子もない妄想も残しておこう。
インテグレーテッド・エナジー・アライアンス(統合エネルギー同盟)とでも言おうか、石油(ガスを含む)と原子力の一元的管理を数カ国で行おうという動きがあったとすれば。
サウジアラムコ上場前にサウジアラビア国王のアジア各国、日本、アメリカに歴訪する。
WHの東芝持分の株式をサウジのファンドが買い取り、逆にアラムコへの上場前の出資を促す。
これにより日米沙(イギリス・フランスを含める?)エネルギー同盟を構築し、「世界に安定的なエネルギー供給を行う」(エネルギー供給を支配する)ことを宣言する。
脱オイルと言いながらのアラムコ上場、脱オイルで日本からの支援。これらなどを考えるとまったくありえない話ではないと考えたので、先に発表だけでもしておこうと、あまりに馬鹿馬鹿しいと思うが公開しておくこととする。

 

米国軍事・産軍複合体

世界が石油不足(価格はともかく。最近では価格は下がっているものの)が懸念される論説は減り、石油利権を裏の目的とする米軍の動きもメリットが減りデメリットばかりが目立ち始めた。
そこで、第2のエネルギー源を統合することによって「エネルギー」という大きな枠組みによる「大義」を見つける作業を行いやすくなるのではないか。

 

 

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